血漿分画製剤のいろいろ

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

血漿分画製剤のいろいろ

免疫グロブリン製剤

免疫グロブリン製剤の適応

感染症

① 無または低ガンマグロブリン血症

免疫に生まれつきの異常があり、感染症を起こしやすくなる病気を「原発性免疫不全症」といいます。「原発性免疫不全症」のうち、体内で免疫グロブリンが全く作られない場合を「無ガンマグロブリン血症」と呼び、少ししか作られない場合を「低ガンマグロブリン血症」と呼びます。

無または低ガンマグロブリン血症の患者さんは、胎盤を通してお母さんから貰った抗体が少なくなる生後6カ月を過ぎる頃から、繰り返し細菌などの感染症にかかり易くなります。

このような患者さんには、感染症を予防するために、免疫グロブリン製剤を定期的に投与することが不可欠です。免疫グロブリン製剤の定期的な投与により、重篤な感染症を引き起こすことは少なくなっています。

免疫グロブリンの防御壁
② 重症感染症〔じゅうしょうかんせんしょう〕

細菌感染症にかかった場合、通常は抗生物質の投与により治療します。しかし、白血病やがんで治療を受けている場合や大きな手術を受けた場合などでは、免疫力が低下していますので、感染症にかかりやすく重症化しやすくなるといわれています。そのような場合、抗生物質だけでは症状が改善しないことがあり、免疫グロブリン製剤が一緒に投与されることがあります。

なお、重症感染症では、抗生物質だけよりも抗生物質と免疫グロブリン製剤を併用したほうが治療の効果が高いことが、臨床試験で認められています。

重症感染症:抗生物質と免疫グロブリンの併用効果
③ ウイルス感染症

ウイルスが体内に侵入するとターゲットとする細胞に結合し、その細胞の中に侵入したあと増殖し、感染がひろがります。免疫グロブリン製剤には、各種のウイルスに対する抗体が幅広く含まれています。免疫グロブリンGは、私たちの体内でウイルスに結合する事(ウイルスの中和作用)によって、ウイルスが細胞と結合し、細胞内に侵入し増殖する事を妨害し、ウイルス感染を防ぐ効果があります。

免疫グロブリン製剤の中で筋注用製剤は、麻疹(はしか)、A型肝炎などの予防と治療に使用されています。

<大阪府立成人病センター顧問 正岡 徹先生 監修>

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