血漿分画製剤のいろいろ

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

血漿分画製剤のいろいろ

アルブミン製剤

等張および高張アルブミン製剤について

薬としてのアルブミンには、等張と高張の2種類の製剤があります。「等張アルブミン製剤」(低濃度)は、濃度がアルブミンの血漿中の濃度と同じ範囲の4.4%と5%に調整されています。一方、「高張アルブミン製剤」(高濃度)は濃度が20%と25%に調整されています。

これらは、用途(病態)に応じて使い分けられます。(「アルブミン製剤の種類および使い分け」の表参照

1.等張アルブミン製剤

製剤中の水分量が多く調整された「等張アルブミン製剤」を使用することによって、少ない輸血量で多くの血漿容量を回復することができます。また、緊急出血時に迅速に血漿の不足を補給することができます。

等張アルブミン

そのため、外傷、手術、腸の閉塞・麻痺、熱傷などが原因で循環血液量が大幅に減少する血液量減少性ショックなどで使用します。

血液量が大幅に減少すると、全身の臓器や組織に十分な酸素を含む血液が供給できません。その結果、からだの細胞はエネルギー代謝に障害をきたし、ショック状態になります。

このように大量の体液が失われた場合に「等張アルブミン製剤」が使用されます。

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2.高張アルブミン製剤

高張アルブミン製剤を血管内に補充することで、血漿浸透圧を上昇させ血管外の水分を血管内に戻すように働き、浮腫(むくみ)や腹水の改善を図ることができます。

高張アルブミン

アルブミンは肝臓でつくられています。肝不全などで、十分な量のアルブミンをつくれなくなった場合、低アルブミン血症が起こります。さまざまな病気や、出血、食物を経口摂取できないための栄養不足などが原因で低アルブミン血症が起こることもあります。

重症化した低アルブミン血症を治療しないと、体内の浸透圧のバランスが崩れ組織に水分が移動し、腹水・胸水などの浮腫(むくみ)を引き起こします。このような症状の改善に「高張アルブミン製剤」が使用されます。

<東京慈恵会医科大学教授 星 順隆先生 監修>

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