血漿分画製剤のいろいろ

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

血漿分画製剤のいろいろ

組織接着剤

組織接着剤の仕組み(図解)

図①は、手術により大きな血管(例えば大動脈)にできた動脈瘤(りゅう)を取り除いた後、血管と人工血管を接合して、針と糸で縫合(ほうごう)したところを示しています。左の血管と右の人工血管が接合された箇所と縫い目の穴から血液がもれ出ています。

図②は、組織接着剤を図①の縫合部に使用してフィブリン膜が形成された状態を示しています。

組織接着剤の仕組み(図解) 組織接着剤の仕組み(図解) 組織接着剤の仕組み(図解) 組織接着剤の仕組み(図解)

図③は、図②の破線で囲った枠内の拡大図です。

血管の接合部分をフィブリンが網目状に無数に結合してフィブリン膜を形成し、血管から血液がもれ出るのを防いでいます。

この際、からだの回復力により血管が、元通りにつながるまでの間、フィブリン膜が溶かされないようにする必要があります。アプロチニンは血液中のプラスミンがフィブリン膜を分解する作用を阻止します。図④は図③の破線の枠内の拡大図で、アプロチニンがプラスミンの作用を阻止しているところを表しています。

<慶應義塾大学医学部名誉教授 小林 紘一先生(2011年7月監修)>

ページトップ