用語集

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

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ア行

S/D処理

S/Dは、solvent(有機溶媒)・detergent(界面活性剤)の略で、ウイルスの脂質膜(エンベロープ)を界面活性剤で破壊し、脂質膜を持つウイルスの感染性をなくす方法の一つです。C型肝炎ウイルスの不活化から検討が開始され、現在TNBP(tri-n-butyl phosphate:有機溶媒)、Tween80(界面活性剤)などが使用されています。

S/D処理では、界面活性剤だけでもゆっくりとウイルスを不活化しますが、有機溶媒と共存させることで、不活化はより速くなります。この処理は脂質膜を持つB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、エイズの原因ウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)を速やかに不活化します。またこの処理によるウイルスの不活化は、熱に不安定な製剤にも適用可能で、現在、血液凝固因子である第Ⅷ因子、第Ⅸ因子製剤、免疫グロブリン製剤のウイルス不活化法としても採用されています。

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