血液製剤について

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

関連疾患

自己免疫疾患

水疱性類天疱瘡〔すいほうせいるいてんぽうそう〕について

【類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)とはどのような病気ですか】

類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)は、皮膚の表皮と真皮の境にある基底膜部のタンパクに対する自己抗体ができることで全身の皮膚や粘膜にかゆみを伴う浮腫性紅斑(膨隆した赤い皮疹)、緊満性水疱(パンパンに張った破れにくい水ぶくれ)、びらんができる病気です。

また、患者数は全国で7,000~8,000人*ほどと推測されていますが、軽症の方を含めるとさらに患者数は多いと予想されます。

*出典)「稀少難治性皮膚疾患調査研究班」

【この病気ではどのような症状がおきますか】

類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)にはいくつかの種類があります。

そのなかの大部分の症例は水疱性類天疱瘡に分類され、一部の症例が粘膜類天疱瘡や後天性表皮水疱症に分類されます。

水疱性類天疱瘡では、からだや手足にかゆみを伴う浮腫性紅斑(膨隆した赤い皮疹)や緊満性水疱(パンパンに張った破れにくい水ぶくれ)、びらんができます。

眼や口腔の粘膜にも症状が生じることもあります 。


類天疱瘡 -水疱性類天疱瘡 (全身に紅斑、水疱やびらんを生じる)
-後天性類天疱瘡 (外力のかかるところに水疱やびらんを生じる)
-粘膜類天疱瘡 (主に眼粘膜にびらん、口腔粘膜に口内炎や水疱を生じる)

皮膚のじんましん様紅斑と水疱

炎症型(水疱の周りに赤みがある) 非炎症型(水疱の周りに赤みがない)

口内炎 目のびらん

【この病気の原因はわかっているのですか】

自分の細胞や組織に対して自己抗体が産生され発症する水疱症(自己免疫性水疱症)です。

具体的には自分の体の表皮細胞と真皮をつなぐ結合部位を構成するタンパク(BP180、BP230、7型コラーゲンなど)に対する抗体が生じ、この結合が壊されることにより症状が現れます。

このような自己抗体が作られる原因はまだわかっていません。

類天疱瘡は、他の人にうつることはありません。

【ふだん飲んでいる持病の治療薬でこの病気が起こることはありますか】

この病気は、薬剤で誘発されることがあるので内服中の薬を受診された皮膚科の先生に申告してください。

【この病気にはどのような治療法がありますか】

病気の原因となる自己抗体の産生と働きを抑える免疫抑制療法を行います。

軽症の場合は副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用剤や炎症を抑える内服薬などで治療します。

中等症・重症の場合は、ステロイド内服剤が治療の中心になります。

ステロイドの投与量を減らして副作用の頻度を下げるために免疫抑制剤を併用することもあります。

病気の勢いを抑えきれない場合には、さらにステロイドパルス療法、免疫グロブリン製剤の大量静注療法や血漿交換療法という治療法を併用しながら治していきます。

免疫グロブリン製剤の大量静注療法は2015年11月からこの疾患の治療に用いることができるようになった比較的新しい治療方法の一つです。

【この病気はどういう経過をたどるのですか】

治療を開始後、病気の勢いが落ち着いてきたら、治療薬を少しずつ減らしていきます。

水疱性類天疱瘡は、治療によって比較的早期に寛解状態注1)に至る患者さんが多いですが、治療が効きにくい患者さんや、再発を繰り返す患者さんもいます。

最終的に治療を中止して治癒注2)する患者さんもいます。

治療を突然中断すると再発することがあるので、長期にわたって通院する必要があります。

注1) 寛解状態:薬を飲んでいるが、病気による症状が消失した状態。

注2) 治癒:病気が完全に治った状態。

【この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか】

からだに水疱びらんができている時期は、やわらかい素材でできた衣服を着用します。絆創膏やテープを直接皮膚に貼ると、はがすときにびらんになりますので、包帯やサポーターなどで固定します。口内炎があるときは、やわらかく調理した食事を食べます。

薬を飲み忘れると治っていた症状が再発することがあるので、飲み忘れないように工夫します。病気が軽快し薬の量が減ると症状は軽快します。

ステロイド内服治療をしている場合は、ステロイドの副作用として、感染症にかかりやすい、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、胃潰瘍、高血圧、白内障などに注意が必要です。

定期検査を受け、必要に応じて治療を受け、副作用を予防しましょう。

副作用はすべての人に起きるわけではありません。

症状が落ち着いてきたら、食べ過ぎに注意するとともに、適度な運動を心がけましょう。

<川崎医科大学総合医療センター 皮膚科学 教授 青山 裕美先生 監修>

ページトップ